2級学科試験問題:問題パターン1
【小型船舶操縦者の心得及び遵守事項】
問1 陸上交通と比較した水上交通の特性について述べた次の文のうち、適当なものはどれか。
- すべての水域で、速度制限が無いので、周囲に他の船舶がいないときは高速で航行することができる。
- 水上交通は右側通行が原則で、これは万国共通である。
- 陸上の道路のような移動範囲を制限するものが無いので、水上ではあらゆる水域を自由に航行することができる。
- 陸上のガソリンスタンドのような施設が各所に設置されているので、海上で燃料が不足したときは、すぐに補給することができる。
問2 小型船舶の船長が、大型船舶について知っておかなければならない事項として適当でないものは、次のうちどれか。
- 前方の死角が大きく、小型船舶を視認しにくいことがある。
- 緊急の停止を行うことが困難で、数千メートルも前進する場合がある。
- 高性能な航海計器を装備しているので、小型船舶の行動がよく分かる。
- 狭い水道では、他船を避けることができないことがある。
問3 プレジャーボートの船長が航行中、前方に定置網を発見した場合、最も注意しなければならない事項は、次のうちどれか。
- ブイがどの方向に浮かんでいるか。
- どんな魚を捕っているか。
- 定置網の所有者は誰か。
- いつ設置されたものか。
問4 プレジャーボートの衝突事故の発生原因として適当でないものは、次のうちどれか。
- 避航時期不適切
- 機関取扱い不良
- 操船不適切
- 見張り不十分
問5 小型船舶の船長の心得について述べた次の文の( )の中にあてはまる語句として適当なものは、次のうちどれか。
「有資格者が複数乗り組む場合は、誰が船長で、誰が補助者かという、乗船者についての( )を明確に決めておくことが大切である。」
- 複数乗船
- 安全確保
- 管理全般
- 役割分担
問6 小型船舶の船長のマナーについて述べた次の(A)と(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) 暴走行為、見せびらかし行為などの迷惑行為をしないこと。
(B) 不法係留、無断係留及び水域の不法占拠をしないこと。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)正しい。
- (A)も(B)も誤っている。
問7 小型船舶の船長の心得として適当なものは、次のうちどれか。
- 定められた備品は、良好に保存するため、マリーナに保管を委託しなければならない。
- 発航前の点検は、短時間の航海のとき以外は、必ず行わなければならない。
- 余分のライフジャケットを保有していても、定員を超えて乗船させてはならない。
- 観天望気は信頼できないので、気象庁の天気予報や気象通報に頼らなければならない。
問8 遭難した場合の通報先として、正しいものは次のうちどれか。
- 海上では海上保安庁に通報し、湖川では警察に通報する。
- 海上では警察に通報し、湖川では海上保安庁に通報する。
- 海上でも湖川でも海上保安庁に通報する。
- 海上でも湖川でも警察に通報する。
問9 次の文は、小型船舶の船長の遵守事項について述べたものである。下線部分(ア)~(エ)のうち、適当でないものはどれか。
「小型船舶操縦士が(ア)酒酔い操縦や危険操縦の禁止などの遵守事項に違反し、一定の基準に達した場合は、(イ)戒告や罰金などの行政処分が課せられる。ただし、処分を受けることになった者には(ウ)再教育講習を受ける旨の通知があり、これを受講することにより処分が(エ)免除又は軽減される。」
- (ア)
- (イ)
- (ウ)
- (エ)
問10 操縦免許証の更新及び失効再交付について述べた次の(A)と(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) 更新講習は指定講習機関が、失効再交付講習は指定失効再交付講習機関が実施している。
(B) 更新の申請手続きは、最寄りの警察署にて行うことができる。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)も正しい。
- (A)も(B)も誤っている。
問11 小型船舶の登録を行う場合の登録先として、正しいものは次のうちどれか。
- 都道府県庁
- 日本小型船舶検査機構(JCI)
- 舶用メーカー
- 保管先のマリーナ
問12 迷惑防止と環境保全について述べた次の文のうち、適当でないものはどれか。
- 騒音につながる、エンジンの違法改造は行ってはならない。
- 早朝や深夜でも、出航前の点検であれば大きなエンジン音を上げてもよい。
- 出発地の海岸から十分離れるまで、安全な速力で航行する。
- 排出ガス低減のため、4ストロークや直噴2ストロークエンジンに順次切り替えられる傾向にある。
【交通の方法】
問13 航行中の2隻の動力船が真向かいに行き会い、衝突するおそれがあるときの航法として、正しいものは次のうちどれか。
- 互いに針路を右に転じる。
- 互いに針路を左に転じる。
- 速力の速いほうの船舶が、他船の進路を避ける。
- 速力の遅いほうの船舶が、他船の進路を避ける。
問14 広い水域において、他の船舶に追い越される船舶の航法として正しいものは、次のうちどれか。
- その針路と速力を保って航行する。
- 右舷側を追い越されるときは、左側に少し変針する。
- はっきり、早めに、大幅に速力を減じる。
- 左舷側を追い越されるときは、短音2回の汽笛信号を行う。
問15 夜間、航行中のA動力船が、その左舷前方に次の図に示すような灯火を表示して接近してくる他の船舶を認め衝突するおそれがあるとき、A船がとらなければならない措置として正しいものは、次のうちどれか。ただし、は白灯、は緑灯とする。広い水域において、他の船舶に追い越される船舶の航法として正しいものは、次のうちどれか。
- 他の船舶が右変針するまで、針路を保って航行する。
- 速力を増してから、短音5回の汽笛信号を行う。
- 大幅に動作をとり、他の船舶の進路を避ける。
- そのときの針路と速力を保ち、十分に注意して航行する。
問16 避航船及び保持船の航法について述べた次の(A)及び(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) 避航船は、他の船舶との衝突を避けるための針路又は速力の変更を行う場合は、できる限りその変更を他の船舶が容易に認めることができるように大幅に行わなければならない。
(B) 保持船は、避航船と間近に接近したため、その避航船の動作のみでは衝突を避けることができないと認めるときは、最善の協力動作をとらなければならない。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)も正しい。
- (A)も(B)も誤っている。
問17 次の図に示すように、航行中の2隻の船舶が真向かいに行き会い、×印の付近で衝突するおそれがあるときの航法として正しいのは、次のうちどれか。
- Aは針路、速力を保持し、BがAの進路を避ける。
- Bは針路、速力を保持し、AがBの進路を避ける。
- A、Bともに針路を右転して、他船の進路を避ける。
- 速力の速いほうの船舶が、他船の進路を避ける。
問18 「衝突のおそれ」について述べた次の文の( )の中にあてはまるものは、次のうちどれか。
「近付いてくる他の船舶の( )に明確な変化がないときは、これと衝突するおそれがあると判断しなければならない。」
- コンパス方位
- 速力
- 針路
- 距離
問19 狭い水道等において、A船がB船を追い越そうとする場合に、B船がA船を安全に通過させるための動作をとらなければ追い越すことができないときは、A船は、どのようなことを行ってB船に追越しの意図を示さなければならないか。次のうちから正しいものを選べ。
- 定められた汽笛信号を行う。
- 定められた発光信号を行う。
- 定められた形象物を掲げる。
- 定められた国際信号旗を掲げる。
問20 夜間、航行中の動力船が表示している船尾灯の色は、次のうちどれか。
- 白色
- 緑色
- 紅色
- 黄色
問21 昼間、次の図の形象物を表示している船舶は、次のうちどれか。
- 運転不自由船
- 船舶等を引いている動力船
- 操縦性能制限船
- 漁ろうに従事している船舶
問22 互いに他の船舶の視野の内にある2隻の船舶が、互いに接近して衝突のおそれがあるとき、他の船舶の意図を理解することができないときは、どのような信号を行わなければならないか。次のうちから正しいものを選べ。
- 急速に短音5回以上の汽笛信号
- 長音3回の汽笛信号
- 長音1回、短音2回の汽笛信号
- 順次に長音1回、短音1回、長音1回及び短音1回の汽笛信号
問23 港内における一般的な航法等について述べた次の文のうち、正しいものはどれか。
- 防波堤の突端を右舷に見て航行するときは、できるだけこれから遠ざかって航行しなければならない。
- 汽船が防波堤の入口付近で他の汽船と出会うおそれのあるときは、出航する汽船は入航する汽船の進路を避けなければならない。
- 帆船は帆を減じ、又は引船を用いて航行しなければならない。
- 他の船舶を追い越す場合は、短音1回に引き続く長音2回の汽笛信号を行わなければならない。
問24 夜間、港内を航行中の長さ7メートル未満の帆船及びろかいを用いている船舶は、海上衝突予防法の規定による灯火を表示している場合を除いて、なに色の灯火1個を常時表示しなければならないか。次のうちから選べ。
- 白色
- 黄色
- 紅色
- 緑色
問25 「航路における一般的航法」として誤っているものは、次のうちどれか。
- 航路に沿って航路を航行している巨大船は、航路に入ろうとする漁ろう船等の進路をさけなければならない。
- 長さ50メートル以上の船舶は、定められた地点間を航行するときは、航路を航行しなければならない。
- 12ノットをこえる速力で、航行してはならない区間が定められている。
- 航路を横断する場合は、できるだけ直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならない。
問26 水上安全条例について述べた次の文のうち、誤っているものはどれか。
- 海上衝突予防法や港則法が適用されない水域での交通ルールについて規定している。
- 水上オートバイ操縦者に対して、指定した講習の受講を義務付けしている条例がある。
- 違反者の取り締まりは、国土交通省が行っている。
- 懲役や罰金などの罰則規定がある。
【運 航】
問27 滑走型船(ディープV型)が、高速前進中、舵を左に取った場合、どのような状態で旋回するか。次のうちから選べ。
- 左舷側に傾斜した状態
- 右舷側に傾斜した状態
- 両側に交互に傾斜する状態
- 舵を取る前と同じ状態
問28 桟橋等に係留する場合、係留ロープを船内のビットに係止する前にビットに数回巻き付ける必要があるのはなぜか。次のうちから最も適当なものを選べ。
- 摩擦による磨耗を防ぐ。
- 切断するのを防ぐ。
- 係船索の滑りを防ぐ。
- よりが戻るのを防ぐ。
問29 小型船舶の安定について述べた次の文のうち、適当でないものはどれか。
- 重心が高くなると、船の動揺は緩やかになる。
- 同乗者がいっせいに立ち上がると、重心は高くなる。
- 重量物を低い所だけに積むと、重心は低くなる。
- 甲板上の水はけが悪いと、重心は低くなる。
問30 航行中、濃霧となった場合の処置を述べた次の文の中の( )に当てはまるものは、次のうちどれか。
「沿岸航行中、濃霧のため船位が不明になったら、( )して視界の回復を待つ。」
- 変針
- 揚錨
- 後進
- 投錨
問31 他の船舶を曳航する場合の注意事項として適当なものは、次のうちどれか。
- 曳航開始時は、行きあしをつけるため高速で引き始める。
- 視界が悪くなったら、減速して曳航ロープを縮める。
- 曳航ロープは、解き放てないようにしておく。
- 荷物は、引く船から引かれる船に移す。
問32 コンパス等がなくても、おおまかに方角を知ることができる方法について述べた次の(A)と(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) アナログの腕時計を水平に保ち、長針を太陽に向けると、時計の12時の方向が、ほぼ北を示す。
(B) アナログの腕時計を水平に保ち、短針を太陽に向けると、時計の12時と短針との中間の方向が、ほぼ南を示す。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)も正しい。
- (A)も(B)も誤っている。
問33 2つの物標の見通し線の利用方法として適当でないものは、次のうちどれか。
- 船首目標として利用する。
- 変針目標として利用する。
- 等深線として利用する。
- 位置の線として利用する。
問34 次の図に示す灯浮標は、次のうちどれか。ただし、赤、白は標体の塗色を表す。
- 右舷灯浮標
- 左舷灯浮標
- 孤立障害灯浮標
- 安全水域灯浮標
問35 灯略記「Oc R 10s」の表す灯質と、灯色を示した次の組合せのうち、正しいものはどれか。
- 単明暗光 ・・・・・・ 緑色
- 単閃光 ・・・・・・・ 赤色
- 単明暗光 ・・・・・・ 赤色
- 単閃光 ・・・・・・・ 緑色
問36 水路図誌について述べた次の(A)と(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) 海図や水路書誌を総称して水路図誌といい、水路書誌には「水路誌」の他に、「灯台表」、「潮汐表」等の特殊書誌がある。
(B) 「ヨット・モーターボート用参考図」、「プレジャーボート・小型船用港湾案内」は小型船舶用の水路図誌である。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)も正しい
- (A)も(B)も誤っている。
問37 次の海図図式のうち、「最低水面すれすれくらいに現れる岩」はどれか。
問38 小型船舶に取り付けられる船外機について述べた次の文のうち、適当でないものはどれか。
- 船内機や船内外機に比べ、小型で軽量である。
- 船内機や船内外機に比べ、船体への取付けや取外しが簡単にできる。
- 船体への取付け角度を自由に変えることができる。
- 急激に前進に入れると、プロペラが跳ね上がることがある。
問39 もやい結び(ボーラインノット)は、次のうちどれか。
問40 出航前に点検しなければならない事項として適当でないものは、次のうちどれか。
- 移動物が固縛されていること。
- 消火器の使用期限が切れていないこと。
- 船底にビルジがたまっていないこと。
- 自己点火灯が固縛してあること。
問41 海水フィルターについて述べた次の文の( )の中にあてはまる語句として最も適当なものは、次のうちどれか。
「ディーゼルエンジンの海水フィルターを点検した場合に、エレメントにゴミなどが詰まっている場合は、まず( )を締めてからエレメントを取り外して清掃する。」
- ドレンプラグ
- 燃料コック
- キングストンバルブ
- 蝶ナット
問42 バッテリーの交換について述べた次の文のうち、正しいものはどれか。
- ターミナルにグリースを塗る場合は、ケーブルの締付けが終わってからにする。
- バッテリーを固定するベルトやボルトには、ゆとりをもたせる。
- のケーブルを のターミナルに接続する。
- 電解液の液面が、極板の上端と一致するように液量を調節する。
問43 ガソリンエンジンの暖機運転中における確認事項として適当でないものは、次のうちどれか。
- チャージランプの消灯
- オイルパン内の油量の変化
- 触手による冷却水の通水の有無
- 警報ランプの消灯
問44 エンジンを運転中、冷却水温計が、次の図のような志度を示した。エンジンの回転数を下げた後、原因を特定するために行う事項として適当でないものは、次のうちどれか。
- バッテリ液の量を調べる。
- 冷却水取入れ口の詰まりを調べる。
- 冷却水ホースの締付け不良や損傷を調べる。
- 循環ポンプ駆動用のVベルトの緩み、破損を調べる。
問45 長期保管前の格納点検について述べた次の文のうち、適当でないものはどれか。
- バッテリーの端子を外し、電解液を抜いて保管する。
- エンジンを作動させ、燃料系統に漏れがないか確認する。
- エンジン及びドライブユニットの冷却水系統を清水で洗浄する。
- スロットルケーブル及びシフトケーブルなどに潤滑剤を塗布する。
問46 地上天気図記号(日本式)「 」の表すものは、次のうちどれか。
- 晴れ
- くもり
- 雨
- 雪
問47 前線について述べた次の文の( )の中にあてはまるものは、次のうちどれか。
「性質の異なる二つの気団が接する境界面を前線面といい、その面が( )と交わる線が天気図上の前線となります。」
- 等圧線
- 高気圧
- 低気圧
- 地表面
問48 潮汐について述べた次の文の( )の中にあてはまるものは、次のうちどれか。
「潮汐とは、月と太陽の引力作用により、海面が上下する動きをいい、高潮から次の高潮までの時間は、一般的に約( )である。」
- 4時間
- 6時間
- 8時間
- 12時間
問49 小型船舶の操縦について述べた次の文の( )の中にあてはまる最も適当なものは、次のうちどれか。
「追い波を受けて航走するときは、船体が波に横たわり転覆するのを避けるため、波の( )に位置を保つように速力を調整する。」
- 頂上
- 上り斜面
- 下り斜面
- 谷間
問50 小型船舶に火災が発生した場合の処置について述べた次の(A)と(B)について、それぞれの正誤を判断し、次のうちからあてはまるものを選べ。
(A) 消火器を使用し、火勢が大きくなる前に消火する。
(B)機関と舵を使用して火元が風上側になる態勢とする。
- (A)は正しく、(B)は誤っている。
- (A)は誤っていて、(B)は正しい。
- (A)も(B)も正しい。
- (A)も(B)も誤っている。